スズキ グース350と言うバイクをレストアなさんぽんです。
20年ほど前の出来事になるが、久しく放置の車検切れ状態からグース350を復活させた。
劣化部品を新品に交換して、整備を施し少しながらカスタム。
ピカピカなヨシムラチタンマフラーに新品タイヤでリフレッシュ♪
その当時全盛期で天才GPライダーと呼ばれた、今は亡き阿部典史さんのノリックレプリカヘルメットを購入。
継続検査(車検)はその当時はあまり知られていないユーザー車検を選択した。
しかしながら、やっとこ動き出したグース350のご機嫌な日々は1ヶ月ともたず終了となりました。
なんと右折のおじいちゃん軽自動車に跳ね飛ばされ、一発廃車となったのです。
「まさか出てこないだろう」
「動き出したけど気が付くだろう」
そんな気持ちからか、全開ブレーキ回避をしなかった己の甘えからの結果でもあります。
幸い、運転手のおじいちゃん、助手席のおばあちゃんに怪我が無いのが幸いでした。
目の前に急に単車が現れ、目の前で空を舞っていくさいぽん。
他人事ながら目の前で人がはじけ飛んでいくとか、お二人にはトラウマレベルである。
そんな事で、米蔵横の部屋で長らく眠っていた廃車のグース350
20年近くかけて蓄積した「米ぬか」は単車に触るのも躊躇するほど真っ白でした。
昨年ついに倉庫の整理で邪魔になり、生活拠点のガレージに移設する事になりました。
運搬中に寄った店舗でそれを見た知人店長から、知り合いが乗らなくなったグース350の話が出た。
あれよ、あれよ、と話が進みあっという間に譲渡頂けることになったのです。
譲り受けたグース350はガソリンタンクに穴が開き、その他も含め軽微な部分とは言え整備必要。
そこで、一発廃車のグース350の出番となった訳で現在に至ります。
この、米ぬか粉まみれのグース350は移設後、奇跡の状態が判明するのでした。
なんと米ぬか粉を洗い流すと、錆び一つない完璧な状態ではありませんか。
世の中には「こめ油」という食用油が存在するが、当然原料は米である。
米ぬかにもこの油が含まれていて、長年蓄積した「米ぬか粉」がまさに「防錆効果」を発揮していた。
このグースはわずか1ヶ月で使用を終えた傷だらけのヨシムラマフラーなど部品も豊富。
使わない手はなく、移植元としては完璧な保存状態であった。
ありがたい事です。
そんな事で復活に向けた整備も後半戦。
購入以来数十年と気にも留めなかったガソリンタンクに貼られたエンブレム。
この貼り付けられたエンブレムに今回目が留まった訳です。
近年の単車のエンブレムの主流は?
印刷技術の向上でステッカータイプが多いのではないでしょうか。
このグース350はアルミプレートの打ち抜きタイプとなります。
観察すると、「Goose」の下にはスズキの「S」が複合的かつ立体的に造形されています。
購入して何十年と気が付かなかったが、さらになんと「S」の下側にある物が・・・
なんと単気筒エキパイから延びるマフラーではないか。
修正後のエンブレム
なかなか、しゃれた造形である。
SUZUKI開発陣の単気筒スポーツに対する意気込みと言うか、思いが込められた一品と感じました。
このエンブレムのためだけに金型を作りアルミ材を打ち抜く。
現代の厳しいコスト管理ではこの情熱はなかなか実現しないであろう。
ある意味合理的な世の中は便利ではあります。
しかしながら、遊び心が許されない世の中になったように感じるのは私だけでしょうか?
寂しいというか、味気ないというか。
こういった単車ってもう出てこないのかな?
さいぽんでした。